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1983年まで現役だった南大東島の「シュガートレイン」!何故か那覇の公園にも?

2003年、モノレールが開通して、沖縄に本格的な鉄道ができましたが、戦前には沖縄にも多くの鉄道がありました。そのほとんどがサトウキビ運搬などの産業用でしたが、乗客を乗せて運ぶものもありました。そんな中でも沖縄で最初にできた鉄道が、南大東島の「シュガートレイン」。名前の通りサトウキビ運搬用の鉄道でしたが、乗客用の客車もありました。しかもこの鉄道は1983年まで利用されており、モノレール開通するまで、沖縄で最後の鉄道だったのでした。

戦前は蒸気機関車でしたが、戦後はディーゼル機関車に変わり、現在も南大東島の「ふるさと文化センター」にその両方とも保存されています。また意外なことに、この南大東島で利用されていた機関車が沖縄本島の那覇でも見ることができるんです。那覇中心街の「壺川東公園」でその姿は望めます。何故、那覇にあるかというと、沖縄本島に遊覧鉄道の計画があり、その際に運び出されたから。しかし計画が中止になり、この場所で保存されたということです。

趣のある「機関車庫」と開拓の道しるべとなる「フロンティアロード」

南大東島には実際に使用されていた蒸気機関車とディーゼル機関車の他にも、様々な鉄道の名残が残っています。鉄道の起点となっていた、南大東島の市街には「機関車庫」が残っており、現在は農耕機器の保管庫になっていますが、建物は以前のまま。石積みの壁にアーチ型の開口部、そして三角屋根の建物はとても趣があります。

またこの車庫を起点に、南大東島のメ インの港「西港」まで、「フロンティアロード」という線路跡が残っています。レールはありませんが、鉄道が通っていた部分は、島の開拓の道しるべとなった道として残されています。

一部は緑のトンネル、一部は花に囲まれた道として、とても雰囲気のいい遊歩道として現在も利用されています。

島に残る「2号ポイントレール」と「旧東レール」は繋がっている?その理由は山手線??

(2号ポイント・レール:役場から徒歩20分/1.6km・空港から徒歩40分/3.3km)

機関車、車庫、線路跡ときたら、あとは実際に利用されていたレールを見るしかありません。島には4ヶ所、実際に使われていたレールが残っており、どれも気軽に望むことができます。まずは最もレールが長い「2号ポイントレール」と、レールがそのまま林に向かって伸びる「旧東レール」。どちらも市街と空港との間の「島南東部」にあり、双方は徒歩10分で往来できる距離しか離れていないので、この2つは一緒に見るのがおすすめです。

まずは市街に近い「2号ポイントレール」。丁字路にあるレールで、線路に平行して側溝があるのでとてもわかりやすい。レール自体ももともと道路をまたいでいたものらしく、踏切部分のようにレールが2重になっています。もちろん鉄道は廃線になっていますので、現在はレールを自由にまたいで通行できます。

(旧東レール:役場から徒歩30分/2.4km・空港から徒歩30分/2.5km)

そしてもう1つの「旧東レール」。2号ポイントから北に進んで、一度右に曲がればたどり着けます。レールの延長線上に林があるので、林を目印にすれば確実です。その林も以前はレールがあった部分で、その林に向かって伸びるレールが「旧東レール」の特徴です。ちなみにこの林の先が「2号ポイントレール」。実を言うと、南大東島の鉄道は、その一部が山手線のような周回軌道になっており、現在、島に残っているレールはこの周回軌道のもの。つまり島に残された4つのレールを繋ぐと、山手線のような周回軌道が完成するわけなんです。

「新東レール」からは島が一望!「池之澤レール」は最もわかりやすい場所!!

新東レール(役場から徒歩60分/5km・空港から徒歩35分/3km)

残りの2つのレールは、1つが市街地のすぐ近くにある「池之澤レール」で、もう1つは市街地とは島の反対側にある「新東レール」となります。「新東レール」はどちらかというと空港に近い場所にあります。他のレールは道路に沿って延びるものがほとんどでしたが、この「新東レール」だけは道路に斜めに伸びています。2号ポイント同様に道路をまたぐもので、レールが2重になっているのが特徴。また4つのレールの中で、最も景色が開けた場所にあり、そのレールに立つと島が一望できます。

ただし場所は最もわかりにくく、周辺に目印になるものもありません。空港からだとターミナルを出てすぐに市街地とは反対方向の小さな道に入り、滑走路北端の先まで行き、貯水池前の道を左に入ると、このレールまで続く道になります。

(池之澤レール:役場から徒歩15分/1.3km・空港から徒歩65分/5.4km)

そして4つ目の「池之澤レール」は、市街地にある機関車庫から約1kmのところにあります。市街地からフェリーが発着する西港へ向かう丁字路交差点にあるので、一番わかりやすい。しかしレール自体はとてもわかりにくく、わずかにレールが見える程度。言われなければ気づかないレベルです。鉄道感も他の3つより低めなので、散歩ついで見に行く程度で十分でしょう。

沖縄本島・那覇でも南大東島の機関車が望める!しかも沖縄の鉄道の歴史まで!?

南大東島の4つのレールはこの「2号ポイントレール・旧東レール・新東レール・池之澤レール」となりますが、機関車については何故か沖縄本島の那覇の「壺川東公園」で見ることができます。さすがに那覇では実際に利用されていたレールはありませんが、南大東島では望めなかった、レールの分岐ポイントもあります。何より機関車は実際に利用されたものなので、那覇でも南大東島の「シュガートレイン」の雰囲気を十二分に味わうことができます。

那覇の住宅地のど真ん中に、南大東島で実際に利用されていた機関車があるとは驚きです。また壺川東公園には、沖縄本島の鉄道の歴史も綴られており、南大東島以外の沖縄の鉄道のことも知ることができます。南大東島まで行くのは大変ですが、那覇なら気軽に行くことができると思いますので、鉄道好きの方は那覇の「壺川東公園」にも足を運んでみましょう。

(壺川東公園)

<まとめ>南大東島旅行なのに山手線の路線図が必須アイテム?レール巡りを楽しむコツ!

この南大東島の鉄道は、機関車庫を基点とする山手線のような周回軌道の線路を中心に、様々な支線が伸びて路線を構築していました。その中心の「一周線」が山手線とすれば、北に延びる「北支線」は京浜東北線、西に延びる「西線」は中央線の様相。そして4つのレールは、山手線の駅にすると「2号ポイントレール」は品川駅、「旧東レール」は隣の田町駅。「新東レール」は田端駅、「池之澤レール」は新宿駅、そして「機関車庫」は渋谷駅あたりの印象です(笑)。

南大東島でのシュガートレインのレール巡りも、山手線を想像して駅巡りをする感覚で楽しむのもおすすめです。南大東島への旅行なのに、山手線の路線図は必須アイテム!?南大東島旅行を、さらに楽しむコツです。

ちなみに南大東島では「シュガートレイン夢復活実現事業」という、観光利用のための鉄道を2017年に復活するとの計画がありました。しかし採算性が問題になり断念。2017年現在は遊具として再検討されています。さすがに「鉄道」としての復活は難しいようです。

<参考>大東糖業南大東事業所の砂糖運搬専用軌道の詳細情報(首都圏鉄道のイメ ージ)

<一周線(北線/南線)>12.530km/19駅→(山手線・周回)
<北支線(無線)>2.206km+0.750km/7駅→(京浜東北線・北港=大宮行き)
<丸山線(北丸山線)>0.783km/1駅→(中央線・中央横断)
<西線>4.048km0.095km/4駅→(京浜東北線・西港=横浜行き)
<亀池線>2.526km/5駅→(鶴見線・亀池港=京浜工業地帯行き)
<南支線>1.451km/3駅→(南武線浜川崎支線)
<構内線(池線)>0.987km+1.781km


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