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港の近くが廃墟美術館状態!船を下りたらすぐ!

沖縄県でも他の離島とは離れたエリアにある大東島群。有人島としては南大東島と北大東島で構成されています。南大東島には地底湖や鍾乳洞などがあり観光客も多く訪れますが、北大東島には南ほどの観光客は多く訪れないものの、マニアの方にはここしかない魅力が満載。それは「廃墟」。しかも北大東島の港のすぐ近くに、魅力的な廃墟が何ヶ所も集まっていますので、上陸直後にテンションアップ間違いなし。あまりに見事な崩壊っぷりはまさに芸術。北大東島の港周辺はもはや廃墟美術館状態です。

廃墟マニアだけではなく、全ての来島者に見て欲しい北大東島の芸術的な廃墟群。しかも船で来島する際は、「クレーンに吊られて上陸」もできちゃいます。来島直後からテンションマックス間違いなし!

港近くの「燐鉱石貯蔵庫跡」!見事な石積みと程よい崩壊っぷり

港のすぐ近くにある廃墟は「燐鉱石貯蔵庫跡」というもので、石積みの壁とその奥に連なるアーチドームが特徴的です。港からは石積みの壁しか見えませんが、上陸して壁の裏側に回ればそのアーチドームの姿も望めます。でもこの港側の石積みだけでもとても素晴らしく、城跡などの石積みよりも表面がフラットで、とてもきれいな壁面をしています。そして一部がいい具合に崩壊していて、いかにも「廃墟」というイメ ージを形作っています。

ちなみにこの「燐鉱石貯蔵庫跡」は、その名の通り「リン」を含んだ鉱石を貯蔵していた場所。北大東島の鉱石は、アルミニウムの原料となる「アルミナ鉄」の含有量が多く、とても重宝されていました。結果、肥料や火薬の元となる製リン原料の他に、戦闘機を作るアルミニウムの原料にも使われていて、世界大戦時には北大東島の採掘事業はとても活気を帯びていました。しかし戦後の米軍統治の際に機械化が進められ、それによって伴い品質が下がり、1950年には閉山。それ以降は放置され廃墟となった次第です。燐鉱石の採掘事業自体は1910年に開始され、この燐鉱石貯蔵庫は1919年に建てられました。よって、現在で約100年の歴史がある建物ということになります。

石積みの壁の裏はアーチドーム!芸術的な廃墟は中からも楽しめます

燐鉱石貯蔵庫跡の石積みの壁にある入口は、鉱石をトロッコで搬出するためにあり、その穴の奥にアーチドームがあります。アーチドーム自体はトロッコに積んだ燐鉱石を貯蔵するためのもので、その崩壊っぷりがまた味があって芸術的。アーチドームは全般的に崩壊していますが、等ピッチにアーチが残っていて、意図して崩壊させたのかと思えるほど芸術的。しかもそこにアクセントを与えるように、崩壊したコンクリート片が散乱。廃墟マニアにはまさに垂涎の光景です。

しかもこのアーチドームは中に入ることもできます。石積みの壁から赤煉瓦の乾燥工場跡の近くまで行くことができ、見るだけではなく体験もできる北大東島の廃墟「燐鉱石貯蔵庫跡」。北大東島へ行ったら必須の場所です。

赤煉瓦の「燐鉱石乾燥工場跡」!残った「丸」が特徴的

燐鉱石貯蔵庫跡はあくまで「貯蔵」するための施設で、ここに貯蔵する前に燐鉱石は「乾燥」という工程が必要です。その乾燥するための工場が、貯蔵庫のアーチドームが伸びた先に廃墟として残っています。先の貯蔵庫跡とは趣が全く異なる「赤煉瓦」で、違った芸術作品になっています。

ただ乾燥工場跡は先の貯蔵庫跡よりも崩壊度が高く、原型はほぼ想像できないレベル。でもそれが廃墟マニアにはたまらず、その原型を想像するのもひとつの楽しみ方です。特に乾燥工場跡にある「丸い穴」は芸術的で、想像力をかき立ててくれます。

まさに芸術的な廃墟!原型そのままで倒壊する赤煉瓦の塔

乾燥工場跡自体はかなりの広さがあり、廃墟も広範囲に渡って残っています。中には塔状の建物が、そのまま折れて倒れている光景も。しかも倒壊しているものの、原型はしっかり残っているので、廃墟というよりも意図的に作った芸術作品にさえ感じます。煉瓦積みの建物は倒壊すると全崩壊しやすいのですが、原型がそのまま残って倒壊することはとても珍しい。いかにしっかりした建物であるということがわかります。

またこの乾燥工場跡周辺は草原になっていて、煉瓦の「赤色」と草の「緑色」とのコントラストが素晴らしい。まるで廃墟の「彫刻の森美術館」のような印象さえします。

石積み廃墟の町並みも!

乾燥工場跡のさらに先には、石積みの壁だけ残った建物群もあり、廃墟の町並みもうかがえます。この北大東島の港周辺は1つの「廃墟美術館」と言えます。もちろん入場無料で24時間営業(笑)。好きなときに好きなだけ見ることができる芸術です。

<まとめ>北大東島の港周辺は1つの「廃墟美術館」

ちなみに北大東島へは、船だと那覇から週に1〜2往復しかなく、片道約15時間かかります。でも行きも帰りも「夕方発」「朝着」なので、寝ているうちに移動できます。南大東島と北大東島とは相互往来も可能で、船で1時間ほどですがこちらも週に1〜2往復しかありません。船で往来する場合は、事前に運行スケジュールを綿密にチェックしましょう。また北大東島と南大東島との往来ならびに那覇からの往来は飛行機もありますが、毎日運行しているものの曜日によって運行スケジュールが異なります。こちらも事前にチェックしましょう。

沖縄でも東の最果ての離島「北大東島」。島へたどり着くまでにかなり苦労しますが、この北大東島の「廃墟美術館」は見に行く価値が十二分にあります。廃墟マニアだけではなく、建築や芸術に携わっている方には、是非とも見て欲しい次第です。また「クレーンに吊られて上陸」ということ体験もできますので、船での往来も含めて北大東島への旅行を計画してみましょう!

ちなみに廃墟は港近くだけで、島中央の集落はきちんとした町並みなのでご安心ください(笑)。


北大東島の地図

北大東島の観光情報/ホテル・民宿情報

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