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海に浮かぶ富士山!独立峰の「利尻山」には3つの登山コース

最北の離島「礼文島」の隣にある「利尻島」。北海道の稚内港からフェリーで往来可能で、隣の礼文島とも相互に往来できます。フェリーでは西の「沓形港(くつがたこう)」と北の「鴛泊港(おしどまりこう)」の2つの港へ行くことができます。また利尻島には空港があり、2015年現在で定期便が就航していますので、飛行機で札幌から島へ直接行くこともできます。

そして利尻島といえば島の中央にそびえる「利尻山」。島の大部分を占めていますので海から見ると「海に浮かぶ山」のようにも見えます。富士山のようなきれいな稜線から「利尻富士」としても親しまれています。日本百名山の第一山としても認定されている利尻山には北の「鴛泊コース」、西の「沓形コース」、南の「鬼脇コース」の3つの登山コースがあります。中でも港にアクセスしやすい「鴛泊コース」「沓形コース」が有名で、この2つの登山道を繋いで縦走すれば利尻山を隅から隅まで楽しめること間違いなし!利尻山の5合目まで車で行くことができる西の「沓形コース」から登山をスタートし、頂上を目指して北の「鴛泊コース」に合流。頂上からはそのまま「鴛泊コース」で一気に下山して利尻山を隅から隅まで満喫します。

標高差は富士山なみ?難所も多い沓形コースから登山開始!

利尻山の標高は登山可能な北峰で「1719m」(現在は登山で行けない南峰が1721m)。沓形コースは標高「410m」の5合目まで車で行けますが、頂上までの標高差は「約1300m」と、本物の富士山での富士宮ルートとほぼ同じ。小さな離島の山ですがその標高差はかなりのものなので本格的な登山が楽しめます。ちなみに鴛泊コースだと車で行けるのが標高「205m」までなので山頂までの標高差は「約1500m」。富士山の富士宮ルートよりも大きな標高差になります。標高差だけを考えると利尻山を縦走する場合は沓形コースからスタートするのがいいように見えますが実を言うと難所が多い沓形コース。

その分、冒険気分は鴛泊コースよりも沓形コースの方が満喫できます。また沓形コースのスタートとなる「見返台園地」にはトイレや自販機など施設が充実。施設内には詳細な登山マップもありますので、登山前の最終確認や調整もしやすいという利点もあります。

沓形コースの2つ難所。その名は「背負子投げの難所」と「親不知子不知」

見返台園地から始まる沓形コースは人が1人通れる程度の狭い登山道が続きます。その登山道の途中には「見晴台」「礼文岩」「夜明しの坂」「馬の背」といった見所や景色が開ける場所があるのも特徴です。またこのコースは標高「1461m」「三眺山」まで一度登り、その後は尾根を伝って鴛泊コースへ合流して標高「1719m」の利尻山山頂を目指します。でもこの尾根伝いの登山道には2つの難所があってその名前もインパクト大。

最初に現れるのが「背負子投げの難所」。背負っていた我が子を投げてしまいたくなるほどの難所という意味で、急斜面の不安定ながれきの岩場を備え付けのロープで下ります。山頂を目指しているのに急斜面を下るというのも珍しいですが、その不安定ながれきの急斜面を越えることはまさに難所。もはや「登山」ではなく「ロッククライミング」をしながらがれき下にある登山道を目指します。

そして利尻山山頂へと繋がる鴛泊コースまであと少しというところで最大の難所「親不知子不知」が現れます。斜め45度のがれきの急斜面をトラバース(=急斜面を横断すること)する難所。命綱となるロープが設置されていますが足下はすぐにも崩れそうながれきなので、足下をしっかり確認して慎重にトラバースしましょう。

標高「1719m」の山頂に到着!実際の高さは少し違うことが判明!

見所あり、難所ありの沓形コースを抜けると利尻山山頂へと続く鴛泊コースに合流します。ここから先もがれきが多いコースのままですが、階段状に登山道が整備されているので比較的登りやすく感じます。しばらく登ると「山頂?」と思わせる場所に到着しますが本当の山頂は尾根を伝った先にあります。鴛泊コースからの登山者と合流するので狭い尾根を譲り合いながら山頂を目指しましょう。

そして標高「1719m」の利尻山北峰の山頂に到着。「利尻高山神社」と書かれた小さな神社が山頂にはあります。でもそこには「利尻山北峰1718.7m」と書かれていますので正確にはもう30cmほど低いということが分かります。また利尻山山頂は雲がかかりやすいので山頂は雲の中に入っていることも多いです。でも独立峰なので風が強く、しばらくすると雲が晴れることもあります。山頂近くにはまっすぐに切り立った見事な「ローソク岩」も望めますので曇っていてもしばらく山頂にとどまることをおすすめします。

麓の町には利尻山の絶景を楽しめるペシ岬の岩山。プチ登山も楽しめる!

下山は登山時とは別の「鴛泊コース」を利用しますので、下山時もまた違った山の中の風景を楽しめます。鴛泊コースは沓形よりも登山道が広めですが、足場ががれきなので土が多かった沓形コースより歩きにくい印象。また登山者も多いコースなのですれ違う際は登り優先のルールを守り、相手が上がりきるまでその場で待機しましょう。がれきの道は5合目あたりまで続き、4合目からは森に入って雰囲気がかなり変わります。そしてこの森を抜ければゴールの「北麓野営場(標高205m)」に到着します。ちなみにゴールの野営場から2km下った先に「利尻富士温泉」があり、そこまで自力で行って休養を取るのもおすすめです。

また下りきった麓の鴛泊市街には、利尻山に登らなくとも登山気分を味わいたいという方にはうってつけの「ペシ岬」という標高「93m」の岩山があります。プチ登山をして岩山の上まで登り、そこから見る利尻山の稜線は絶景。山頂がとんがった富士山のように見えます。利尻山を外から楽しむ場合はこのペシ岬の岩山が一番おすすめです。しかも登山気分も味わえるので一石二鳥。利尻島では外せないおすすめスポットです。

<まとめ>登山は大変だけど稜線が美しい利尻山は見るだけでも大満足!

富士山レベルの標高差の利尻山登山。かなりハードな登山になるので必ず経験者と一緒に登るか、ツアーなどで地元のガイドさんと一緒に登りましょう。なお「鴛泊コース」は距離にして約7km、時間にして登りだと「約6時間」、下りだと「約4時間」かかります。「沓形コース」は5合目まで車で行けるので距離は約5kmと鴛泊コースより短いですが、時間にすると登りで「約5時間」、下りだと「約4時間」と難所が多いのでほぼ同じだけかかります。登山時期は7〜9月がおすすめで6月はまだ残雪が残っていることもありますし、9月もあまり終盤になると降雪の可能性もありますのでできるだけ暑い時期に登りましょう。

本当の富士山ほどではないものの、富士山レベルの標高差を登山するのはなかなか大変。でも「ペシ岬」ならプチ登山もできますし、そのペシ岬の岩山から見る利尻山はまさに絶景。本格的に縦走登山するもよし、気軽にプチ登山するもよし。最果ての富士山「利尻富士」を満喫しに利尻島まで行ってみましょう!

<参考>利尻富士登山:沓形・鴛泊縦走GPSログ

(沓形コースから鴛泊コースへの縦走登山GPSログ)


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