離島.com 離島旅行記1「粟国・渡名喜・久米編」
ハプニング続出、初の沖縄本島離島の旅
離島.comトップ八重山情報館宮古情報館
2002年10月21日(月)
「13日間、ただ唯一の悪天候。そんな中、島一周しました。」
10/10 10/11 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21 10/22
離島旅行記1 トップ

残すところあと2日。最後の最後になって天気がいまいちです。風が強くて、いかにも沖縄の秋・冬の気候。っていうか、本来10、11月の沖縄といったら、風が強いのが当たり前なのに、今までが安定しすぎておかしかった気がします。でもやっぱり安定した晴れ間の方がいいですけどね。
西高東低冬型の気圧配置。そういう気圧配置の場合は、内地はからっと晴れるのですが、沖縄は北から風が入り込み、雲も発生しやすいので曇りがちになります。冬の沖縄って感じでしたね。今朝の久米島は。朝方は雨も降っていたので、もしかして今日は宿にこもるか?っと思いましたが、9時頃にはあがりましたが、いかんせん晴れるわけでもないので、路面は濡れた状態。諦めモードでこの日は外出するのでありました。

この日はもともと久米島一周するはずだったので、どうしても天気にはもってほしかったのです。島に来て一周しないで帰ってしまうのは本望でないので、是が非でも一周したかったのです。まぁ雨はずっと降っていなければどうにかなるんだけどね。どうせ南国の雨は、スコール的なものが多く、5〜10分待てば止むのが多いですからね。
っということで、かなり見切り発車で久米島一周を始めるのでした。そういえば、この日、久米島一周以外にも現在宿泊している奥武島の隣にあるオーハ島にも行くつもりでしたので、一周はできれば午前中に済ませたい。ちなみに何故午前中かというと、この日の干潮が午後1時だったので、そのオーハ島、橋もなければ船もないので、干潮時を見計らって歩いて渡るしかありません。一応、宿のお母さんに聞いたら渡れるらしいので、チャレンジしてみることにしてみました。


とりあえず最初は久米島一周。スタート地点はもちろん宿泊している奥武島。そこからイーフビーチを経由して時計回りに一周する計画。まずは久米島第2の港(第1の港を奥武島近く真泊港とすると)、兼城港(かねぐすく)を目指すことに。明日の帰りの船は、高速艇なので真泊で良かったんですけど、とりあえずはどんなもんか見ておこうと思いまして。ちなみにこっちはフェリーの港です。でもあとあと、この港を見に来たことが功を奏することになるとは思いもしませんでした。


南の玄関口「兼城港」
で、もともと港が目的ではなく、その先にビーチがあったので、そのついでだったのでした。 そのビーチは「シンリ浜」東の「イーフ」に対して西の「シンリ」という位置づけだと思います。まぁ久米島のビーチはきれいそうなので、行ってみたかった次第です。
兼城港からシンリ浜まではそんなに距離もなく(自転車だったら)、道も簡単だったのですぐに行くことができました。が、来てみると・・・ビーチはそこそこなのですが、なにより印象的だったのがそのビーチに面して建っているホテル。なんか人気がないなぁ〜って思っていたら案の定、そのホテルは廃墟なのでした。きれいなホテルなんだけど、ここでもまたバブルのあおりか〜?不景気のあおりか〜?寂しい次第です。
建物だけ言えば、イーフビーチの「イーフビーチホテル」や日航に並ぶのにねぇ〜。やっぱり立地がいまいちだからでしょうか。イーフビーチははての浜は近いし、ダイビングスポットも目白押しなので、レジャーには事欠きませんが、こっちはこのビーチがあるだけだからねぇ〜。ビーチ自体はなんか島みたいなものが点在していておもしろそうだったんだけどね。

ぼぉ〜っとするにはいいかも?っておもったけど、近くに久米島の空港があり、カラス除けだろうか?一定時間ごとに「パンパン」銃声みたいな効果音が鳴るのです。シンリ浜にいると否応なしにそれが聞こえてきて、正直のんびりできない。っていうかうざい。ビーチの静寂をぶちこわす、その空港。


どこか寂しいシンリ浜
それがさすがに羽田の直行便が夏季だけでもあるから、空港施設はめちゃきれい。正直驚いた。雰囲気は違うが、豪華さは宮古空港に近いレベル。石垣空港と比べては・・・いけないよね。石垣とは。
しかも、RACだけでなく、ジェットも通常期止まるので、使い勝手はいいかもね。まぁ私にはこの時点では関係ないと思ってましたが。


さすが豪華な久米島空港
奥武島から空港まででちょうど島半周。アップダウンもそんなに強烈なものがなかったので、結構楽ちんでした。
さぁもう半周!っと思いきや・・・こっから先、ひたすら上り坂。しかも単なる登りではなく、平坦な場所もなく、もちろん下りもなく、延々登る一方。こっからの自転車での移動はへこみっぱなしでした。
途中松林がきれいだったのですが、登るので精一杯。目指すは粟国で知り合ったダイバーに教えてもらった素潜りポイントミーフガーです。


島の西側には松が多かった
ミーフガーまでの途中には、観光名所でしょうか?「おばけ坂」ってのがあり、まぁ全国的にもよくあるやつ。見た目上り坂なのにボールを転がすと上り坂を登っていく〜ってやつ。
観光にはいいでしょうが、そのからくりを知っている私には興味全くなし。元々建築家だった私は、こういうスロープの仕組み、知っていますから。
要は、勾配の違う坂が連なっているだけ。急な下り坂の途中に緩い下り坂を設け、その先にもう一度急な下り坂を設けると、その途中の緩い下り坂が上り坂に見えてしまう人間の錯覚。仕組みは簡単。なので見る間でもありませんし、行っても感動できませんので、その入口だけチェックして先へと向かいます。ちなみに、このとき大勢の観光客がおばけ坂の方へと向かっていっていたので、なおさら行く気になりませんでしたけどね。


日本全国に良くある「おばけ坂」
さて、そろそろミーフガー。ここまでずっと登り。そしてミーフガーへと続く道は・・・ものすごい下り坂。なんで「・・・」かと言うと、そりゃミーフガーへ行くのは楽ですよ。行くのは。でも行ったからには・・・戻るのです。登るのです。
しかもその坂、長いこと長いこと。つまり帰りは相当の地獄を覚悟しておかないといけないわけです。それを分かっていて下っていく自転車・・・むなしかった〜。
ミーフガー自体、何かというと、大きな2つの岩がもたれあって立っている場所で、なんだか子宝にめぐまれるスポットらしいです。それとミーフガーには、隣接というか近くに具志川城跡があり、ついでにそれも見てみることにします。

具志川城跡って、久米島に城があったこと自体驚きです。ちなみに、久米島に城跡はほかにももう一つあります。
しかし城跡なので、城自体はなく、石垣だけ残るって感じです。その石垣も登れるようになっているので登ってみると・・・景色なんにも見えないじゃん!なんのための石垣なん?せっかく人が登ったのに、そりゃないよ!って感じでした。ここは上には登らず、下から見上げるだけにしましょう。


登る前の景色の方がキレイだった

せっかく登っても展望すらできない
そして本命?のミーフガー。さぁ潜れるかな〜・・・っておい!粟国のダイバーよ。ミーフガーで潜れって・・・「死ね」ってことかい!(笑)。
理由は・・・画像の通りです。しゃれになってないほどの高波。遠目で見て3,4mあるっとことは実際はそれ以上。5,6mの波がたつポイントで潜れるかい!!!っていうか、エントリーできるかい!!!
これで、久米島の素潜りは終了したのでした。っていうか、今回の旅の素潜り自体、終了。せっかく久米島用に水中カメラ買ったのに結局はての浜で2,3枚使ったっきりで、全然使わなかった。はての浜のも撮るものなにもなかったのだけど、とりあえず買ったからには使わないと!って程度に撮ったので、実質久米島では1枚も撮らなかったことになります。
結局、渡名喜のデジカメご臨終事件が最後だったのね。

まぁ風が強かったので、本当に風がないときに潜れってことなのね!って勝手に納得して、ミーフガー自体を近くまで見に行くことにしました。天気が優れなかったので、そんなにきれいに感じませんでしたが、その岩のスケール感と割れ目には結構見とれましたね。粟国、渡名喜、久米と、岩場が多い島にはこういうスポット多いんですね。そういや粟国にも岩の割れ目あったもんなぁ〜。
でもね、その岩に見とれるより、もっと見とれるものがあったのです。それは・・・波。高波。こんなに大きな波はあまり見たことがないですし、ここは岩場で守ってくれるので、その高波を結構近くで見ることができました。普通は浜から遠く離れたリーフに波が立つので簡単に近くで見ることができませんからね。去年黒島で高波を近くで見ようと思い、死にそうになりましたからね。結局ミーフガー自体は2,3枚。高波は10枚近く撮影しました。芸術的できれいだった〜。


ミーフガーまでの道は整備されています

岩の間から海を見ます

こんなところで潜れるかい!?
そしてこのあと、言うまでもなく延々と続く上り坂になるのでした。 ミーフガーへ行くポイントまでの上り坂だけでなく、このあとも延々上り坂が続くのでした。結局島の1/4ぐらいでしょうか?延々上り坂でして、結局ミーフガーからその坂が終わるポイントまで、9割以上自転車を押して上がりました。坂の勾配はそんなにきつくなかったのですが、なによりその長さ。行けど行けど、頂上が見えず、正直自転車に乗る気がなくなってしまったのでした。先が見えればあそこまで!って思ってがんばれるけど、ここまで坂が続くと頑張る気にさえなれなくなってしまいます。

途中、どっかに比屋定バンタっという展望ポイントがあるはずなのですが、もうそんなのどうでもいい!とにかくこの坂を越えよう!っと思って頑張っていました。実を言うとここまで来る途中、地図を落としてしまい、感覚で走っていたので、比屋定バンタ自体どこにあるのか知らず、どうでこの一周道路からちょっと脇に入った山側の高台にでもあるんだろ?っと思い、高台=登りってことでパスするつもりでした。

しばらく上りを押して上がっていると、そろそろ登りが終わる雰囲気になってきて、その先には展望台が見えてきました。展望台があるってことは、そのエリアの最上部ということも意味するので、坂が終わる〜っと思い、がんばって最後の力を振り絞って走りました。
そこは崖の下が見渡せ、はての浜まで望むことができます。しかし、その景色、どっかで見たことあるぞ!?っと思ったら、こここそが比屋定バンタなのでした。なんだ、一周道路にあったんかい!そりゃ上り坂が続くわけだ!っと納得したのでした。


島の北側は登り、きつすぎ!
もう疲れ切っていて、景色を楽しむというより、疲れを癒すことで精一杯でした。あんまり景色目に入ってきませんでした。
そ・し・て、ここからは下り坂だ〜。ここからは楽!楽!楽〜〜〜!
ちなみに気づいたこと。宿泊している部屋から山が見えていたんだけど、その山に道のようなものが見えていて、夜になるとその街灯がとても目立っていたの気づいていたのですが、まさかあんなところに一周道路あるわけないよな〜ありゃ単なる山道だ!っと思っていたら、まさにその道路なのでした。下り坂の途中から宿が見えましたから。

でもあまりに下りすぎるので、正直恐くなるくらいでした。ブレーキ握りっぱなしでした。そのまま坂を下っていくと、久米島に到着したときの真泊港へ到着し、奥武島まではあっという間でした。結局丸一周自転車で2時間半かかりました。一周23kmしかないので、平坦なら1時間ちょっとで行けると思うのですが、道草もしたし、ミーフガーも行ったし、そして何よりあの上り坂。2倍以上もかかってしまったわけです。正直、二度とあの坂は上りたくないので、どんなに今日明日のうちに天気が良くなっても、風が無くなっても、ミーフガーも行く気はありませんでした。もう勘弁してくれって感じ。


宿に到着したときは午前11時半。とりあえず30分休憩とって、オーハ島チャレンジ!・・・なんちゅうハードなスケジュール。ちなみにオーハ島〜奥武島は歩いていけることは分かったのですが、どのルートで歩けばいいのかわからないし、深さがどの程度あるかも不明。
とりあえずなるようになるさ〜って思ってオーハ島へ渡る口へと行きました。奥武島とオーハ島とは電線がつながっており、ちょうど西表島と由布島みたいな感じでした。でも決定的な違いは島を渡る水牛がいないことかな〜。まぁそりゃいないわさ。
ちなみに、このオーハ島には家が3軒ある程度でなにもありません。

さてチャレンジ開始。由布島と明らかに違うのは下が岩であるということ。由布は完全に砂地なので裸足でも大丈夫だと思うのですが、こっこはビーサンでもきつい。基本的にはダイビングシューズが必要ですね。
最初は水深20cmぐらいで、ちょろいちょろい!っと思っていましたが、徐々に水深40cm・膝下ぐらいになってきました。しばらく膝下の状態が続いたのでこのまま行けるかな?っと思いました。たまに膝上まで行くポイントもありますが、すぐに膝下に戻ったので、こりゃ行ける!っと中間地点ぐらいで思いました。時折股下まで行くときもありますが、すぐにまた浅くなったのでちょっと深くなっても安心。
っと思い、オーハまであと10mのところに来ていきなり落とし穴が。腰を通り越して腹まで水に浸かってしまいました。幸い、そうなることも想定して背負っていたカバンは頭の上に置いてあったので、荷物を濡らすことは避けられました。
結局、オーハ島に近い場所は深くなっているようです。確かに到着した場所には船着き場があり、そりゃ深いわな!っと思いましたけど。


由布に似てるが深かった・・・
何はともあれ、無事オーハ島へ渡れたのでした。しかし干潮の時間があるので、想定滞在時間は30分程度しかありません。急いで回らないと。とにかく最初は集落へ。宿のお母さんにとりあえず島に着いたら集落に挨拶しておき!って言われたので、集落を目指しました。集落と言っても、住んでいそうな家は3軒。あとは廃墟って感じでした。結局住民とは一人しか会えず、挨拶をした次第です。
島の内部は八重山の新城島と同じ、集落には行けるけど、そこから海岸線に出たりすることはなかなかできませんでした。なにより困ったのが、庭なのか、道なのか、区別がつかなかったのでなかなか足を踏み入れることができませんでした。
それと道はあるのですが、誰もあるいた形跡が無く、しかもオーハにはハブがいるので、恐くて足を踏み入れられませんでした。
っということで方向転換。海岸線づたいに歩くことにします。
海岸線は昨日のはての浜の時にある程度続いているのも確認したし、そのまま進むとはての浜の近くまで行けるのも確認済みです。昨日はての浜にいるときなんか、オーハ島から歩いて&泳いではての浜渡れるんちゃう?って思う位でしたから。
基本的には岩場と砂浜の組み合わせで、途中はきれいに弧を描いた砂浜もありました。もちろんあまり踏み入れられた形跡はなく、自然そのままでした。そしてその砂浜を越えて、岩場にたどり着くと、目と鼻の先にはての浜。マジ泳いでいけるんちゃう?って思えます。でもやんないけど・・・
やってもいいけど、泳いで渡ったとしましょう。戻ってくるときにはオーハ島と奥武島との間、水没して歩けなくなっているって。あまりにリスクが大きすぎるし、そこまですることもないかと思ってね。今回も、今後もしません。はての浜泳いで行くの。

結局そのままUターンして再度奥武島へ戻ることにしました。戻ろうと海に足を踏み入れると後ろから声がします。島のおばぁが声をかけてきました。「ここ渡るん?」「ああ渡るさ〜」そしたら驚いた様子で笑ってました。私が「でもここまで浸かるけどね」と言ってお腹当たりを指すと、さらに驚いて笑ってました。楽しいおばぁでした。
最後に大きく手を振って島を後にしました。でもいきなり帰りのルートが分からず、海に入ったらいきなり胸まで浸かってしまい驚きました。どうやらルートを間違えたようです。ちょっと試行錯誤して生井と同じルートを見つけ、無事奥武島へ戻りました。


島の中央に目印となる井戸がある

島の中はひっそりしています

南の浜は自然そのまま
さて、これで島一周もしたし、オーハ島へも渡ったし、他にやることは??? ・・・もうありません。ないので、昼飯を買うがてらにまたもイーフビーチへ。近くにほか弁があったので、そこでカツカレー(食いたかった)を買って、ビーチで食べました。この日は曇りだったので人がさらにまばら。っていうか、いても2,3人。そんな静かなビーチでした。
食べるだけ食べたらしばらくぼぉ〜っとしようと思ったのですが、どうも雲行きが怪しい。南の島の生活が長くなると、どうも雲や風のながれなどから天気が読めるようになります。ここでもあと10分前後で降るな!っと思ったので、支度をし、急いで宿に戻ることにしました。

っがしかし、5分後ぐらいに雨が降り出し、とっさにこれは本降りになる!っと思い、雨宿りポイントを探し、とりあえずそこでやり過ごすことにしました。そしたら本当に本降り(かなりの土砂降り)になって、すごかったです。雨宿りしていなかったら全身びしょ濡れ。なんか南の島の天気って読みやすいんですよね。だいたい当たります。
この雨も、まぁ10〜15分したら止むな!っと思い待っていると、本当に10分ぐらいで上がりました。
結局、ここでの雨もしかりですが、一周中の雨も、こんな感じで何度もやり過ごし、結局全然濡れませんでした。なんか野生的。
そのまま宿に急いで帰り、あとは宿でぼぉ〜っとすることにしました。そしたら宿に戻るや否や風は強くなるわ〜雨は土砂降りになるわ〜、もう外は嵐同然。本当に見切りをつけて帰って正解でした。
しかし外は本当に嵐のようでした。風切り音がビュービュー鳴っているし、木を見るとなんか片方に倒れかかっているし、水面は一方向に波打っているし、遠くのリーフを見ると白波が高いのなんのって!
ここでちょっと不安。明日の船大丈夫か〜〜〜?そういや今年の7月、波照間ではかなりやられたからな〜。結局帰れなくて1日旅行を延長したからさ〜。
さて今回はどうなったでしょうか。
その結果は明日わかります。


10/10 10/11 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21 10/22
離島旅行記1 トップ

トップへ戻る